人間ドラマ
人間ドラマ
いつのころからか、列王記が大好きになりました。子どものころは、下を噛みそうなカタカナの名前ばかり、しかも北と南に同じ名前の王がいたりして、わけがわからないとすっ飛ばすことが多かったのですが、不思議です。
祈祷院でお祈りも讃美も存分にできましたが、ああ幸せとしみじみ思ったのは、ちょうど通読箇所が列王記だったので、ノートと2冊のスタディバイブルを広げながら、王の系図を作成し、じっくりと読むことができた時間でした。時間を忘れて聖書に没頭できるなんて、なんという恵みなのでしょう。
列王記なんて!と私の子ども時代と同じように感じる方は、少しだけ時間をとって、簡単なものでいいので、ノートに南北の王様の名前を書き留めてみてください。特に列王記下では、南北王朝と他国との関係が複雑に絡み合っていますが、今どこの誰の話なのかということが把握できただけでも、かなり面白くなります。
昔々の王家の物語であっても、現代に通じる様々な人間ドラマがあります。「主の目にかなった」と言われた信仰深い王も、国が繁栄すると傲慢になり偶像崇拝に走ります。あるいは他国との同盟や政略結婚など政治の力に頼るようになります。また、霊の父のような養父が生きている間は「主の目にかなった」王も、養父の死後は堕落していきます。
戦争や謀反などの相次ぐ血なまぐさい書物ではありますが、人間の弱さ、醜さが浮き彫りになり、ダビデとの契約を守られる神さまの慈しみがそこに流れているのです。
「この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が過ちを犯すときは、人間の杖、人の子らの鞭をもって彼を懲らしめよう」(サム下7:13-14)
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