ひこばえ①郡山での出会い
ひこばえ①郡山での出会い
全国教会女性連合会の研修会で、3泊4日の被災地訪問の旅を終え帰ってきました。あまりにも内容が濃く、深く考えさせられたので、戻ってからも夢の中にいるような心地がしました。数回に分けて記したいと思います。
最初の感慨は、福島に住む人々との出会いにありました。郡山市内に同じ在日大韓の伝道所があります。原発事故の後、小さいお子さんを抱える牧師と家族は、なるべく安全なところに避難する事を考え、教会も住居も移そうと考えました。ところが、郡山から集団で移住する人が多く、自治体が借り上げているため、いくら探しても空き家が見つかりません。
そうこうするうちに郡山市内にももっと危険な区域、20㎞圏内にいた人たちが避難して来るようになりました。その方々の悲しみや魂の渇きに触れるうちに、牧師はここに根を下ろして被災した人たちと共に生きて行こうと決意を固めました。その後、不思議に現在の場所が与えられ、移転することができたのです。
私たち一行を歓待してくださった教会の姉妹たちは、ハングル教室で教会とつながり、炊き出しのボランティアをするうちに、牧師夫妻の献身的な姿に触れて救われたメンバーです。
震災前には固く心を閉じていた田舎の人たちが、心を開くようになったのです。
「福島は皆が素通りしてしまって来てくれない。それなのに来てくれてありがとう」。そんなことばを、高校生の少女からもらいました。翌日、短時間訪問して給食(お餅の配布)と催しものを行なった仮設住宅の方々にも、感謝されました。話を聞きに来てくれる人はほとんどいないので、ありがたいと言っておられました。感謝するのはこちらの方なのに、遠くから来た、そのことだけで喜んでくださいました。
福島は辛く厳しい現状ではあります。しかし、そこにも確かに主の御手があることを感じました。
「金銭に執着しない生活をし、今持っているもので満足しなさい。神御自身、『わたしは、決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない』と言われました」(ヘブライ13:5)
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