寄り添う
寄り添う
仙台で日本と韓国と在日の女性たちが集まって、3日間の研修会が開かれました。会場は日本基督教団東北教区被災者支援センター・エマオです。初日は礼拝や研修を行い、2日目はバスに乗ってエマオが実際にボランティアに入っている地域を訪ねました。
壊滅的な被害があった海沿いの町に行きました。何万本とあった松林は流され、片付けられて材木置き場のようになっていました。家々は根こそぎやられ、土台だけが残っています。
あちこちに綱が張られ、ハンカチが結びつけてあります。これは「この家に戻ってきたい」という意思表示だそうです。
この地区で亡くなった200余名のうち、1体を残してすべての遺体が発見されたということで、地域の密接なつながりを感じました。しかし、若い世代は子どもにあのような怖い思いをさせたくないので帰りたくないというそうです。
エマオは仙台と石巻の2ヵ所に拠点をもち、全国からボランティアを受け入れて派遣してきました。
最初はキリスト教の団体ということで警戒心を持たれ、なかなかボ受け入れられなかったそうです。しかし「一緒に若い人たちを育ててくれませんか」という呼びかけに心動かされた地元の方が、力になってくれました。またクリスチャン医師との出会いもあり、いろいろな場所に入っていけるようになりました。
現地の方が私たちを歓迎してくれる様子から、日毎の努力とよい関係が伺えます。
家の泥かき、ふすま貼り、写真の洗浄、畑を掘り起こしてがれきを除く、雑草を抜く。漁業支援では海苔の養殖のお手伝いなど言われたことを何でもします。
そして「お茶っこ」(お茶を飲みながらの交わり)も。
ここでは福音を語ることはありません。しかし、ボランティアワーカーが被災者に寄り添う姿は、何よりもキリストの似姿であり、福音そのものを証ししているのではないでしょうか。
「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」 (マタイ25:40:)
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