生かされて
生かされて
敬愛するK牧師が78歳で召天されました。父と親しく、ずっと以前、リバイバル祈祷会のような会を数名で作り、在日大韓基督教会の復興のために夜を明かして祈り、語り合った仲です。
何の他意もない親睦会でしたが、教団内の政治的な組織と誤解され、やむなく解散したそうです。なぜ自分たちのために祈るのがいけないのかと、たいそう口惜しがっていました。
父が召天して2ヵ月後の私の就任式に出席されたK先生は「もうちょっと生きていてくれたらよかったのに……」とポロポロ涙を流しながら入って来られました。今ごろはきっと、天国で再会して喜んでいるのでしょうね。
もう20年ぐらい前のことになりますが、キリスト教雑誌の編集者をしていた頃、先生にインタビューして証しをまとめたことがあります。
細かいことは忘れてしまいましたが、朝鮮動乱で死にかかったことがあり、それ以降は死ぬはずだった自分が生かされていると思って生きてきたこと。どうしても耐えられないことがあり、この教団を去ろうと決意した時、神さまが幻を通して、お前はよいが残された羊たちはどうなるんだとおっしゃったので思いとどまったこと。この二点だけはくっきりと覚えています。
聖路加国際病院理事長の日野原重明さんはあと2ヵ月で102歳になるそうですが、相変わらず講演に執筆に多忙な日々を過ごされています。コラムを読むとたびたび、よど号ハイジャック事件に遭遇したときのことを書かれています。
あのとき自分は死んでいたかもしれない。しかし、こうして生かされている。その思いが後の人生を豊かで強いものにするのでしょう。私たちも主が捜し求めてくださり、見出されたゆえに、今こうして生かされているのです。そのことを忘れないで生きたいと思います。
「はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている」(ヨハネ5:24)
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