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遺産

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ヒマラヤユキノシタ

 あれから10年。父、故朴昌煥牧師のメモリアルデーの準備をしながら、いろいろな思いが頭をよぎりました。とても早かった気もするし、たくさんのことがあって、濃い歳月だった気もします。よくここまで支えられたと、改めて神さまと、私たちを愛して祈って支えてくださった方々への感謝しかありません。

 病床の父が3人の孫、長女の息子たちを呼んでヤコブのように頭に手をおいて祝福を祈りました。そのことを上の子が思い出して「あのときなんて祈ってくれた?」と最近、聞いてきました。改めて恵みの大きさを思っているのでしょう。何と、その録音がありました!すっかり存在を忘れていたのです。
 実は、3人が、つまり私の甥っ子が祈ってもらう姿を見て、ああ私もやってもらいたいと思ったのです。父に祈ってと言いさえすれば、喜んでしてくれたでしょう。なぜ言えなかったのか疑問です。そんな大事なことを言い逃すなんてバカだなと時々思っていました。

 ところが、びっくり仰天!最期の父のそばにもっとも長くいて、介護をしながら、思い出話なども録音していたので。感動的な悔い改めの祈りの後、二人でとても深い会話をしていたことがわかりました。
 わが家にはお金はないけれど、みんなが主を愛し献身していること、子どもたち全員が伝道者になったこと、信仰という大きな財産を遺してくれたこと、心から尊敬していることを伝えていました。父はアーメンアーメン、ありがとうと応えてくれました。

 小さいころ、病気になると大きな暖かい手を額においていつも祈ってくれたアボジ。最期まで信仰一筋でした。録音は最期の説教をする前日のことで、教会のみなさんにはただ信仰だけを全うしてほしいと言い遺していました。
 十分すぎるほど、すばらしい信仰の遺産をいただいていました。私だけでなく、みなさんもそうです。ただただ感謝です。

 主のなさることは折にかなってうるわしい。心からほめたたえ、その愛に応えたいです!

「神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました」(エフェソ1:3)

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