希望のタネ
希望のタネ
つい先日のことです。昼過ぎに、教会を訪ねて来た方がありました。愛媛出身の○○ですと名乗るその方、今日は日雇いの仕事にあぶれてしまい、これから西成に帰るのだと言われます。こういう場合、何か食べるものがあれば差し上げますが、今日は何もなかったなと考えていると、予想外のことを言われました。
自分は造園業をやっていたので、庭の手入れをさせてもらって、少しでいいので仕事代をもらえないかというのです。庭というほどのものも、特別してほしいこともありません。けれど、ただお金を恵んでほしいというのではなく、仕事をしたいというその気持ちに応えたくて、1時間程度ということで猫の額ほどの庭を手入れしてもらうことにしました。
外出して戻ると、芝生がきれいに刈り揃えられ、まだ熱心に作業をされていました。結局、2時間近く作業をされ、お弁当とわずかな作業代を支払いました。愛媛におられたころは、教会に行ったことがあるとのことで、庭の手入れをして喜ばれたそうです。なるほどそれで、訪ねて来られたわけです。
一人ではここまできれいにする技術と体力がありません。久々にスッキリしてさすがプロ、とうれしかったです。
もっとうれしかったのは、その方が帰り際に言われた「今日は楽しい一日だった」ということばと笑顔です。
日雇いではなかなか、庭仕事にはありつけないのではないでしょうか。自分の本業、好きな仕事ができて充実感があったようです。
会社が倒産してしまい、今は大変だけれど何とかして落ち着いた生活を立て直したいというこの方のことばと笑顔にこちらも励まされました。
与えられたものを喜び、感謝する。今ある小さな希望を将来への大きな希望につなげる。そんなことを思わされました。
庭師さん、がんばってくださいね!!
「希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです」(ローマ5:5)
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