『神の小屋』
『神の小屋』
もしも神と一緒に数日を過ごすチャンスがあるとすれば、あなたはどうしますか。神があなたを愛しておられるのなら、具体的にどんな風に? あなたのことをどう見ておられる? 神はあなたに何を望んでおられる?
いつになく惹きこまれたこの物語は、5人の子どもたちの父親であり夫である男性がパパ(神)からの招待状を受け取り、パパとイエスと聖霊の3人と特別な2日間を過ごすという奇妙なストーリー。悲惨な喪失体験をした主人公マックは、神に対して心を閉ざしながら、心の底ではあきらめと怒りを抱えながら生きています。ハラハラドキドキの連続で、マックの気持ちに共感しっぱなしでした。
詳しいストーリーはネタバレになるので割愛しますが、パパとイエスと聖霊の姿が、何ともユニークで目からうろこ、奇想天外です。パパは男性でも女性でもないし、白人でもなく、白いひげのいかめしく堅苦しいおじいさんでもない! パパがエプロンをつけておいしい料理をふるまってくれるなんて! パパと一緒に過ごす時間の、なんと豊かで独創的でワクワクすることか。
もちろん物語はフィクションで、神は実際にはどんな姿をしておられるのか、それはやがて天国に行ってからでないとかわからないことですし、どんな小説だって神を表現するのに十分ではないでしょう。それでもこの物語は、ああそうだったんだ、と私の中の小さな枠、「神はこうに違いない」という思い込みのリミッターをはずしてくれるのに十分でした。
神とともに過ごすこと、交わることは創造のはじめから神ご自身が願っておられたことのはず。それなのに私は、まるでマックのように心を閉ざして神を心から締め出し、都合のよいときだけちょっと利用して、全面的には信頼しないぞという態度ではなかっただろうか。深く考えさせられ、ともかく心躍る物語でした。
『神の小屋』(サンマーク出版)
「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう」(黙示録3:20)
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