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見失った一匹

見失った一匹

サルスベリ

 末期の叔父の見舞いにやっと行くことができました。転院してから容体が悪くなりドキドキしましたが、主のあわれみによって、あと少し時間が残されているようです。

 父が20代後半で信仰をもってからのこと、10歳以上歳の離れた叔父、叔母を連れて一緒に教会に通ったそうです。中でも叔父は高校生のころ洗礼も受け、教会学校の先生もしていましたが、大学に入ってからいろいろな哲学、思想にふれ、いつのまにか反発するようになってしまいました。
 一時は「地上の楽園」という朝鮮総連のキャンペーンにすっかり熱をあげてしまい、向うへ行くと本気で言い出したので、父が目を覚ませと張り倒してやめさせたと言います。よくぞ止めてくれたと思ったものです。
 ハルモニの追悼礼拝に墓前で三拝をしたことから、父と喧嘩をして3年も互いに口をきかなかったこともあります(その後、何事もなかったかのように、元気か、と父から電話をしたのには驚きましたが)。
 長崎、佐世保、ソウル、川西、豊中、私たち家族が行くところすべてに訪ねて来てくれて、それはそれはかわいがってくれた大好きな叔父です。何とか最期には悔い改めて、主のもとに帰ってほしいと心から願っていました。

 病を得てから2度、会いに行きました。天国について、永遠のいのちについて短く話すと真剣に聞いてくれ、祈ると「アーメン」と応答してくれました。叔母が万一のときはキリスト教式でいいの、牧師先生に頼んでもいいいの、と尋ねると、それがいいと言ったそうです。叔父の精一杯の信仰告白だと思いました。
 3度目の今回はうつらうつらしながら、それでも「アーメン」だけははっきりと言うことができました。反抗したこと否定したことすべてを赦してくださって、永遠のいのちを得させてくださることを信じています。

「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか」(ルカ15:4)


コメント

  • 伯父さんの救いのために、福音を伝え祈り、神様が助け恵みを与えて下さり信仰告白が出来たことはとても嬉しい事ですね。神様が一人の魂を為に朴牧師任を用いて下さったと思います。救われるまで命も伸ばして下さったと思います。



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