ホンモノ③
ホンモノ③
『神の大使』の紹介、最終回です。
青瓦台で大統領の秘書官として働いていたときも、北京で駐中大使となったときも、金長老は多忙な中で多くの祈りをささげ、早天祈祷会に通いました。聖霊に満たされ、多くのとりなし手(祈り手)によって、また自身が神の声をききわけ、常識では知りえないことを驚くべき方法で事前に知る、預言者的な働きもしてきました。
けれども、実は彼自身は祖母の代からクリスチャンの家に生まれながら、ティーンエイジになると教会から足が遠のいていました。長老が「神の大使」となるにあたり、周囲の多くの祈りが積まれてきましたが、特にオモニの祈りがとても熱かったのです。
オモニは、クリスチャンではない家に嫁いだため、表立って教会に通うこともできず苦労しました。しかし子どもたちを信仰の道へ入らせるとの意思は固く、早朝に家族のために祈り、食前には家族一人一人の名前を挙げてご飯が冷めるぐらい熱心に祈ったそうです。
クリスチャンではない女性と結婚しましたが、オモニは言ってもきかない息子よりこの息子の伴侶に目をつけます。結婚後、実家の近くに住んだため、主日になるとオモニはまだ寝ている長老の妻をたたき起こして教会に連れていきました。仏教の家で育った女性ですが、シオモニ(姑)の誘いを断ることもできません。数年後、夫の出張中に妻に異変が起こったのです。
友人に誘われて久しぶりに行った礼拝で、妻はキリストに出会ったのです。義務的に引っ張られるのではなく、心から喜んで主を礼拝する者と変えられたのです。やがて妻と娘は彼の救いのため祈るようになります。かたくなな心が開かれ、やがて国のために働き、多くの人を救う働きをするとは、誰が予想できたでしょうか。
祈りは決してむだに地に落ちることがありません。
『神の大使』(金夏中著,Duranno発行,2013)
「あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう」(コヘレト11:1)
Tweet