アジアの風③ 羊飼いの姿
アジアの風③ 羊飼いの姿
会議ばかりの出張でしたが、最終日に1日だけ自由時間がありましたので、同行した牧師の友人の宣教師Cさんに、観光案内をしていただきました。彼らはジャカルタ市内ではなく、田舎で奉仕をして6年になるそうです。
日本でも在留外国人の中で今や中国人は最も多いですが、インドネシアでも華僑の勢いはすごいそうです。大多数はジャカルタなど都市部に住み、教育レベルも高く、経済的にも豊かで成功している人たちです。しかしその陰には、成功とは程遠い人たちもいます。Cさん夫妻はそのような社会の底辺にいる中国系インドネシア人に伝道しているということです。
Cさんの妻Fさんが大変ショックを受けたことは、貧しい家庭に生まれ育ち、高等教育が受けられない若者のあまりにも世界が狭く、夢が描けない姿だそうです。自分の将来のビジョンを描いてみようと話したとき、一人の青年は、30年後に400万ルピー(日本円で月4万円)ほど稼げるようになることだと言ったそうです。
現在のインドネシアの平均月収が日本円で1.5万~2万円ほどで、公務員になると3万円以上は稼ぐそうです。しかし標準とはほど遠い生活を送る彼らにとって、それは生涯かけてかなうかどうかというとてつもない夢なのだそうです。
そのような若者たちにどうやって、夢と希望を抱かせることができるか。低い自己評価を、キリストの愛によって健全なものにすることができるか。Cさん夫妻は悪戦苦闘されています。
母国韓国との経済格差があるので、自分たちはこの国で中流以上の生活ができる。それに甘んじないで、自分を律することをおぼえなければ、本当の宣教が出来ないと彼らは語ります。
いと小さき者に仕えられたキリストの姿をそこに見ることができました。
「三度目にイエスは言われた。『ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。』……イエスは言われた。『わたしの羊を飼いなさい』」(ヨハネ21:17)
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