苦菜の経験
苦菜の経験
そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。
また、酵母を入れないパンを苦菜を添えて食べる。
(出エジプト記12:8)
過越しの祭りは
ユダヤ人が昔もいまも
大切にしてきた祭りのひとつです。
イスラエル民族の発祥を象徴するものであり、
エジプトの奴隷だった民が神さまの導きにより
モーセを指導者にエジプトを脱出して
解放され独立したことを記念するお祭りです。
イエスさまが十字架にかかられる前夜、
弟子たちとともに最後の晩餐をされました。
昔々イスラエルの民が、
初子を打たれるという
災いを過ぎ越してもらうために
この家は神を畏れる家なので、
どうか通り過ぎてくださいというしるしとして
家の鴨居に小羊の血を塗りました。
その小羊は傷のない雄羊でなければ
なりませんでした。
イエスさまは一度も罪を犯され
ませんでしたが、
あなたとわたしの身代りに
すべての罪人のために傷のない小羊として
ほふられたのです。
その十字架の血によってわたしたちは死から
呪いから災いから救われるのです。
ですから最後の晩餐は新しい過越しという
意味がありました。
現代はそのことを覚えて聖餐式という
形で主を記念しています。
ところでユダヤ人がいまも守っている
過越しの食事は「セデル」と呼ばれて
2時間ほどかけて行なわれる儀式であり
家族が集う盛大なお祝いの機会
でもあります。
何年か前に一度大阪でこのセデルを
経験するセミナーで
実際にセデルプレートの
食べ物を味わいながら意味を学びました。
もしも、もう一度イスラエルを訪ねる
機会が与えられたら
今度はユダヤ人の家庭での
実際の過越しの食事をぜひ見てみたいです。
セデルプレートには
1小羊のすねの骨
2ホースラディッシュ
(西洋わさび):苦菜
3甘いお菓子「ハロセット」:
ナッツと果物で作り、茶色い色がレンガを、
甘さは神がともにおられたことを象徴
4ゆで卵:神殿崩壊によって
いけにえがささげられなくなった象徴として
後代に追加されたもの
5レタスやセロリなど野菜:地の産物
この5種類がのせられ
あとはワインとマッツァーという
クラッカーのような種なしパンが
食されます。
苦菜はもちろん、イスラエルの民が
エジプトで味わった苦難を忘れないために
食べるのです。
このメルマガを読んでいる方のなかには
まさにいまが苦菜の経験なのだ
エジプトの奴隷生活を味わった民のように
いまが苦しいのだと
いう方もおられるでしょう。
しかしそういう方には神さまが常にともに
いてくださること、
必ず出口があるということを
お伝えしたいです。
母がお世話になっている
治療院の先生が改善したようすを
紹介してもいいかと言われるので
先日ビデオを撮影したものが
公開されました。
わたしや母のように
認知症で苦しんでいる方のお役に立つなら喜んで
ということでお話ししています。
(関心のある方は、メールなどでご連絡くだされば
URLその他の情報をお伝えできます。)
今年の5月にぎっくり腰をしてしまったころは
いちばんきつかったです。
介助量がどんどん増え日常生活が
成り立たなくなるかもとさえ思いました。
それでも主を賛美しよう
神さまに信頼しよう
感謝して期待しようと
自分に言い聞かせながら
主を求めるしかなかった日々でした。
2年ほど前認知症と診断されてから
曜日と日付がわからなくなり
病を受け止めることが
なかなかできず
なぜわからないのとイライラしながら
繰り返し教えようとし
ふたりで疲れ果てた日々がありました。
あの頃はこんなに進んでしまった後に
穏やかな日々があるとは
想像もできませんでした。
しかし、あのすべての日々に神さまは
わたしと母とともにいてくださり
いまもいてくださいます。
決して決して忘れません。
これからも忘れず人にも伝えていきたいと
思います。
あなたの苦菜の経験はどんなものでしょうか。
忘れないでください。
【祈り】
主なる神さま!
主の日の朝を
ありがとうございます。
わたしにも苦菜の経験が
ありました。
しかし苦しいときにも神さまがともに
おられたことを感謝します。
神さまがわたしを
支えて救ってくださったことを
決して忘れないように
これからも覚えて
感謝したいと思います。
主イエス・キリストの
み名によって
祈ります。
アーメン!
(メールマガジン「まな・Toyonaka」20180902より)