まいごの小猫ちゃん
まいごの小猫ちゃん
妹の家で飼っている猫が行方不明になりました。
どうもベランダから落っこちたらしいのですが、数日間帰ってきませんでした。
以前は生後まもなくから10年近く飼っていた猫がいて、それはそれは可愛がっていましたが、病気であっけなく亡くなってしまいました。
それからしばらくたって保健所から引き取った猫です。野良猫状態だったせいか警戒心が強く、ちょっとの物音にダーッと逃げ出し、すぐ押し入れに隠れてしまいます。夜中に泣く声は物悲しく、一体心が通い合うのか、家族になれるのかと心配もしたそうです。
それでも「まりちゃーん!」と呼び続け、関心を持っているよという態度を示し続けると、少しずつ変化が起こってきました。
夜になるとリビングに出てくるようになり、ブラッシングをしてほしいときにはすり寄ってくるようになりました。ここまで来るのには、かなりの時間を要したそうです。
そんな子なのに、出て行ってしまいました。
捜しまわり、ポスターを作って近所に配り、お店に貼ってもらいました。時折チリチリンと、首につけた鈴の音がするのですが、何しろ怖がり屋さんで、捕まえようとすると逃げられてしまいます。
近所にいるかもしれないので、ドアをあけてえさを置いておいたところ、4日ほどたって家の中で餌を食べているところを発見し、そうっとドアを閉めて無事に確保。
猫のまりちゃんと妹家族の姿が、私たちと神さまの姿と重なります。愛しているのに逃げられてしまう。もっと何かしてあげたいのに、伝わらないし、拒否される。
それでもあきらめず忍耐強く、必ず心を開いてくれると信じて待つ。無視されても出て行かれても、根気強く捜して捜して捜し出してくださり、家に戻った時には心から喜んでくれる。
そんな方をもっと知り、もっと近づき心を通わせたい。胸がきゅんとしながらそう思ったのです。
「見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。」(ルカ11:5-6)
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