ひこばえ②仮設住宅訪問
ひこばえ②仮設住宅訪問
2日目は、郡山市内の仮設住宅での炊き出しと催しものをしました。炊き出しといっても、バスでの移動と過密なスケジュールの旅の途中でのことです。煮炊きをするのは無理と判断し、韓国のお餅と缶入りのシッケ(発酵飲料)、カードなどの配布をすることにしました。
イベントの方は、落語とシオン合唱団による歌の披露、そして美容師さんによるヘアーカットとハンドマッサージも準備しました。早めについてみると、喫茶コーナーをしていて皆さんくつろいでいる様子でしたので、マッサージとヘアーカットを始めることにしました。
最初はみな緊張気味でしたが、ハンドマッサージを受けながらいろいろな会話をし、喜んでいただいているようでした。ネイルセットを持って来た方もおられ、ふと気付くと頭のマッサージや肩もみなどいろんなことをして、皆さんとの交流に花が咲いていました。
私も落語のネタに使おうと、何人かの方に福島弁を教えていただいて楽しいひと時をすごしました。もっとも、にわか仕込みの方言はいまひとつウケなかったのですが。「この仮設に話を聞くために人が来てくれたのは10ヵ月ぶりだ。もっと来てほしい」と言われたということでした。
掲示板にきれいな駅の写真が何枚も飾ってありました。福島第一原発のある大熊町と双葉町の駅で、ツツジがとてもきれいでした。「今頃がいちばんきれいなんだよ。見に行きたくてもいけないのが悔しい」。帰るところのない人々の悲しみ、突然日常生活を奪われたことへの怒りをほんの少し、垣間見ることができました。
こんな状況の中、政府は原発を再稼働しようとしています。再稼働反対の首相官邸前のデモは回を追うごとに膨れ上がり、先日は10万人が集まったとも言われています。いのちよりも経済、利潤を求めるあり方は到底納得できません。私たちも立ち上がってまいりましょう。
「呼び求めるわたしに答えてください/わたしの正しさを認めてくださる神よ。苦難から解き放ってください/憐れんで、祈りを聞いてください」(詩篇4:2)
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