戦争がすぐそこに① 基地見学
戦争がすぐそこに① 基地見学
東京で「9条世界宗教者会議」が開かれました。私は主に現場研修に参加し、たくさんのことを学びましたので分かち合います。
師走のあわただしい中、まる1日を費やしたのが、横須賀と厚木基地のフィールドワークです。まずは小高い丘の上から、横須賀軍港を展望しつつ、説明を聞きます。
この基地からベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争などに出ていったこと。いつでも戦争へ行ける準備ができていること。日本の潜水艦や軍艦は米軍と協働し、日本の自衛隊は米軍の一部分であるとの認識であること。非常にシビアな内容でした。
続いて軍港めぐりの船で湾内を一周。ごく間近に潜水艦、2基の原子炉を積んだ原子力空母も見ました。
船内アナウンスの女性の説明は、自衛隊や米軍の艦船がいかに立派で大きなものなのか、誇らしげに聞こえました。軍事マニアなのか、軍人の恋人がいるのか、ミニスカートの女性が一眼レフを構えて撮りまくっています。
これで、どれほどの人を殺すのか。どれほどの国民の税金が投入されているのか。あまりに立派過ぎる施設や、軍艦をみて、ため息が出ました。
午後からは厚木基地見学。厚木基地とは言いますが、実際には大和市にあることも初めて知りました。隣接する「ゆとりの森」という公園から、基地の様子とすぐその隣で遊ぶ子どもたちの様子を見ながら、50年間基地の騒音と闘う運動をしてきたという方から説明を聞きました。
横須賀港の艦載機が、すべてここに飛んで来て訓練をします。中でも主力機だというF18という戦闘機は黒いコウモリのような形で、爆音が激しく、真上を飛んでいる間は耳をふさいで何もできません。
騒音にさらされる日常生活は、集中力がなくなり、イライラするのだそうです。雨の音、虫の音、風のそよぐ音なんてまったく聞こえないし、耳を傾ける感性も奪われてしまうでしょう。
佐世保で幼少期を過ごしたのですが、基地の町に住む人たちの苦労に気づかず今まできたことを恥ずかしく思いました。日本は決して平和ではなく、戦争が間近にあることを実感した一日となりました。
(次回に続く)
「わたしがあなたに与える命令は平和/あなたを支配するものは恵みの業」(イザヤ60:17)